【ムレを制する者が夏の眠りを制す】
先月のコラムで夏の寝室の適温について書きましたが、適温よりずっと低い室温、冬みたいな室温にしないと眠れないって方は寝具の素材に問題があるとも書きました。今回はこの寝具の素材について書きたいと思います。夏の寝具選びは『汗吸い(吸湿性)』がポイントです。人は睡眠中に汗をかきます。汗をかいて体温を下げて熟睡に繋げるので、寝具には汗に対する対処能力(汗吸い)が求められるのです。汗吸いの悪い寝具で眠ると「ムレ」による不快感と体温低下がスムーズに行われない為、熟睡出来なくなります。夏の「暑くて眠れない」という感覚を正確に表現すると『ムレて暑くて眠れない』なのです。
ムレにくい、汗吸いの良い寝具の素材は「綿」や「麻」等の植物性自然素材です。ポリエステル等の石油由来の化学繊維は汗吸いが悪くムレやすいので注意して下さい。化学繊維で作られるタオルがほぼ無いのも吸水性(汗吸い)が悪いからです。夏になると目に付く触ってヒンヤリ系寝具も大半が化学繊維で作られています。パジャマ、敷パッドやシーツ等、体に近い寝具から素材をチェックしてみて下さい。
また「寝室の湿度管理」も重要になります。寝具に吸わせた汗が寝室内に発散されないと時間の経過に連れて結局寝具がムレてしまうからです。寝室の湿度は『50%』を目安に調整しましょう。