【夜は暗いのが当たり前】
今年は元旦から地震や事故で大変な事態となりました。この原稿を書いて皆様の手に届くまで数週間の時間を置きますが、その間に少しでも能登半島地震の被災者の皆様の生活が平穏に近づく事を祈るばかりです。そして地震と言えば『こんな調査』があるんです。2018年11月に発生した北海道胆振東部地震で日本初のブラックアウト(全域停電)となった時のものです。この時の停電が『中学生の睡眠にどの様な影響を及ぼしたのか』を江戸川大学社会学部人間心理学科の福田一彦教授らが調べたんです。その結果、停電の夜には中学生は普段よりも1.5時間早く眠り、翌朝の起床時刻は普段と変わらなかったことが判明しました。更にこの時の生徒達の平均睡眠時間は9時間半で、これは米国睡眠財団や米国睡眠医学会が推奨するこの年齢の子どもの理想的な睡眠時間の長さとも一致します。この調査は単に子供の睡眠が夜間照明や電子機器の使用によって短くなっている事だけじゃなく、夜が当たり前に暗くなるだけで睡眠時間は適正になり、生活リズムも整う事が分かったんです。睡眠や生活リズムに対する光が及ぼす影響は子供の方がより大きいですが、もちろん大人も影響は受けます。睡眠という行動は特別な技能を必要としません。環境が整えば眠れます。眠れるはずの環境を乱している要素を一つ一つ改善していくだけで眠れるのです。